蚕のこと

着物の材質と言えば、絹・綿・麻・化繊・毛といったところだと思いますが、その中でも、絹が一番華やかな仕上がりだと言うのは、皆様認めていただけるように思います。

絹、と言えば「蚕」ですが、この蚕にも種類があって糸質が変わります。例えば、春子(ハルゴ)と夏子(ナツゴ)と秋子は育てる季節の違いによる糸質の変化ですし、天蚕糸とか野蚕糸といえば、育った環境による違い(食料となる植物も影響しますよね)、黄金繭なんてのもこの内に入るのだと思います。また、ムガシルクなどは、はっきり言って、糸質から違いますよね。
で、同じ蚕の中に、早めに繭を作ってしまうあわて者がいることをご存知ですか?

これを、「三眠蚕」と言います。一般的な蚕は、言ってみれば四眠蚕らしいのですが、「三眠蚕」の蚕から取れる糸は、凄く細いのだとか。ですので、反物に仕立てますと、しなやかな物に仕上がります。本当に、トロリとした手触りで、身体に綺麗にまとわります。

当然、使う蚕の数も通常のものより多くなりますので、お値段も張りますが、一度手に取ると、その感触の良さに惚れぼれいたします。
私は、頑張って、これを色無地に仕立ててもらいました。本日、呉服屋さんに取りに行く予定です。
色無地って、その気になると、結構着回しの利くアイテムなので、その辺りの話はまた次回で・・・

結城紬のこと

結城紬には人間国宝の指定を受けていらっしゃる方がいて、それは、糸繰りだったり、くくりだったり、いざり機だったりするらしいのですが、(すみません、虚覚えで)以前、実演があったときに参加させていただいたのですが、ほんわりと優しいおばあちゃんでした。

その時、伺ったのが、自分の着ていらっしゃる結城紬が単衣だと言うこと。
袷に仕立てなくても十分に暖かく、また、着る時を選ばないから都合がいいのだとおっしゃっておりました。

でも、私としては、色を合わせたいのですよ。裾回しのほんの少しの色が雰囲気を変えますよね。以前に購入してあった着尺、オーソドックスに紺系の紬に臙脂(エンジ)の裾回しを用意したのですが、カラシ色も好きですし、グリーン系も合いますよね。それで、いつまでたっても仕立てあがらないので、そんなことなら、単衣にしてしまうのも手かなぁ、などと悩んでおります。

色々とあって、和服を楽しむ余裕のない生活でしたが、少しずつでもまた和服を着てお茶でも一服したいものです。
しばらく放ったらかしになっていました。

個人的理由で、今年は夏以降ゆっくり和服を楽しむ余裕がありませんでした。(ブログさえ書き込めていないのですからね!)

現代は、洋装で上手く廻っていく仕組みが出来てしまっているため、仕事などで活用する人以外は、意識しないと和装を選ばない状況になってしまうようです。
(名家の奥様方ならいざ知らず・・・)

私自身は結構和服を纏う方だと思っていましたが、バタバタと周辺が忙しいと、やはり、それにつられGパンとTシャツ・トレーナーで過ごしてしまったりします。

和装には、何処かで意識の切り替えが必要な生活が要求されるのだと改めて感じています。

時節柄、呉服屋さんから振り袖の沢山載った案内が届いています。娘が着るには良いと思うのですが、なかなか、本人と意見が合いません。
実は、「誰が袖」紋の地を手に入れてあるのですが、まだ、本人には見せてないのですよ。
親は着せたい、本人は面倒、成人式頃までには意識が変わってくれると嬉しいのですが、どうなりますやら・・・。
それでも、この時期、友禅や絞り、金彩などの技をこらした振袖が見られるのは、もう袖を通すことは無いとわかっているからこそかもしれませんが、嬉しいものです。

単の色々

9月に入り、単の季節です。 単の中で、この頃のお気に入りが「唐残縞」


浴衣の感覚でも、紬の感覚でも着れますね。気軽で、どこかレトロで、そんな感じが好きです。


帯合わせでイメージが変えられるのは、どんな着物も同じですが、半幅帯が加わると、またコーディネイトの巾が変わってきますよね。


それと、浴衣と違って、着物自体がシックなものが多いので、ちょっとした街着になるのがいいです。加えて、オールシーズン対応です。(真夏と真冬が厳しいかな、と思わないでもないですが…)


そういえば、一時期、浴衣を家の普段着にしていたことがありましたが、結構寒い時期でも一枚で平気なところがありました。


以前、結城の織り手で、資格保持者の方に聞いたことがありますが、結城を単仕立てにして、真冬もそれで過ごすのだとか。裏なんかなくても、平気ですよ、と仰っていました。


単、って和服入門には一番だと思いますし、浴衣ではシーズンが終わったと思っても、木綿や紬系統の着物でしたら、気軽に楽しめると思うのは、私だけでしょうか?


10代、20代の若い方に是非チャレンジして欲しいな、と思います。

上布の魅力

九州地方が梅雨明けになってきたみたいですね。
いよいよ、夏本番かな。

夏、と言えば単衣の季節ですが、単衣にも色々な種類がありますよね。その中でも、涼しさでいったら上布に敵うものは無いと思うのですが、如何でしょうか?

その上布にも産地ごとの特徴がある(らしい)のですが、有名処と言えば、「越後上布」が直ぐに頭に浮かびます。「能登上布」や「縮み」なんかもありますよね。
でも、最近は、糸を採る人も少なくなり、また、高年齢化し、なかなか昔ながらの品は手に入りにくいのだとか。

私も、越後上布の帯を大々決心をして買い求めましたが、2年ほどした時に呉服屋さんから、もう、あんな値段では仕入れることも出来なくなってしまった、と言うお話を聞きました。

今回の新潟の地震で産地への影響はどうなのでしょう?心配ですね。
昔は当たり前に手に入った品も、今では意識して、保護をしなければ存在さえ文献の中ににしか無くなってしまうような状況です。
日本人がその歴史と共に磨き上げてきた「和装」です。是非とも身近に置いて欲しいと思います。

特に、夏場の和装は、結構厳しいものがあるのは事実です。身軽な洋服とはやはり違いますので…。でも、だからこそ、無くしたくないと切実に思います。

私の憧れは、白地の単衣に、レースの日傘をさして、海鼠塀の縁をシャッキリ歩く女性だったりします。

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